全国で予防接種が始まり医療従事者数が足りておらず、薬剤師にもワクチン接種の担い手として考えられると言われています。
しかし、注射と聞くと医師や看護師のイメージが強いことでしょう。
では、薬剤師が注射を行うことは問題ないのでしょうか。
今回は薬剤師が予防注射の担い手になることができるのか調査していきます。
目次
なぜ薬剤師がワクチン接種の担い手に?

そもそもなぜ薬剤師がワクチン接種の担い手となる可能性があるという話が出たのでしょうか。
これは米国、つまりアメリカから始まったものです。
2021年5月からアメリカではワクチン注射が可能な職種を拡大しました。
現在は薬剤師や歯科医師、獣医師もワクチン接種を行えるようになっています。
ワクチン接種の先進国ではワクチンを打つことができる職種を増やすことでスピーディーにワクチンの普及を進めています。
ワクチン接種を行うことができる職種を増やさなければならないほど事は急を要しており、これは日本も他人事ではいられません。
もちろん、アメリカの薬剤師と日本の薬剤師では立ち位置が全然違いアメリカの薬剤師の方ができることがとても多いのは無視できません。
日本でも様々な対策を行っていますがどれもぱっとせず、どんどん感染者が増えています。
また、2021年7月にはオリンピックも行われる予定となっています。
それにも関わらずまだまだ予防接種は進んでおらず、医療崩壊一歩手前とさえ言われています。
以上のことから薬剤師も予防接種を打てるようにすることで予防接種の回転率を上げる、という流れになる可能性があります。
河野太郎規制改革相は18日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン接種の打ち手を確保するため薬剤師の活用を検討すると表明した。現在、接種できるのは医師、看護師、歯科医師に限る。「薬剤師も次の検討対象になる」と明言した。
引用元:日本経済新聞
国としてもワクチン接種に携わる人材が足りていない事は感じているようです。
さらに日本医師会の中川会長は薬剤師のワクチン接種の担い手としての活用に関して
全面的にノーとは言わない。医師、看護師、歯科医師が確保できないときに、次の選択肢として薬剤師もあり得る
と述べていました。
注射を打つことができる職種は?

そもそも現状、日本で注射を打つことができる職種はどのくらいあるのでしょうか。
- 医師
- 看護師
- 歯科医師
- 助産師
- 保健師
この5職種は注射を行うことができます。
さらにワクチン摂取となると
- 医師
- 看護師
- 歯科医師
となっています。
その他、注射はできないものの採血はできる職種もあります。
この5職種の中でも特に看護師は注射を行ってくれることが多いですよね。
そんな看護師も元々は静脈注射は許されていませんでした。
看護師等が行う静脈注射は診療の補助行為の範疇として取り扱う」「という新たな行政解釈の変更が平成14年9月に行われました。
第五条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
引用元;保健師助産師看護師法
つまり、平成14年以前は静脈注射は補助行為と認められていなかったため行えていなかったというわけです。
もちろん、皮下注射や筋肉注射も、診療の補助の範疇となっています。
では薬剤師はどうなっているのでしょうか。
薬剤師は注射ができる?ワクチン接種の担い手になり得る?

現段階では不可能、と言えるでしょう。
その理由は法律です。
看護師のように保健師助産師看護師法で「診療の補助」として認められていれば問題はありません。
しかし、薬剤師にはそれがありません。
しかも注射だけではなく薬剤師は医療行為のほとんどが認められていません。
医師法をどうにかしなければ薬剤師の予防接種への従事、接種者とはなり得ないと言えるでしょう。
アメリカのように法改正を行ってくれることで初めて薬剤師がワクチン接種を行えるようになります。
しかし、外国とは異なり日本の法改正にはかなりの時間を要します。
そのため、実際に日本の薬剤師がワクチン接種にまだまだ先になりそうですね。
オリンピックに間に合う気はしませんよね。
まとめ:薬剤師がワクチン接種を行えるようになるには医師法の改正が必須!まだまだ無理かな・・・
今回は薬剤師が予防注射の担い手になることができるのか調査してきました。
日本の薬剤師の立ち位置は外国に比べるとかなり低めです。
そもそも医療行為が認められていないためワクチンの摂取なんて・・・
今後どのように法改正がされるのか次第で薬剤師のワクチン接種への参入が決まります。
今後に期待ですね!