学生時代、学校の日も休みの日も、夏休み・冬休みも部活をしていました。
学生でさえ「いやだな・・・」と思ったことがあるのではないでしょうか?
ではその部活の顧問となった教師はどうでしょうか?
果たしてやりたくて顧問をやっている人は多いのでしょうか?
今回は「教師は部活動の顧問を拒否できるの?給料や手当は?その負担の量はブラックとも・・・」ということで紹介します。
目次
教師は部活動の顧問を拒否できるの?
ではまずは教師が部活の顧問になることを拒否できるのかを紹介します。
結論から言うと「できるが環境が許さない」が正解です。
部活動の顧問は任意
基本的に部活動の顧問は任意です。
部活動の時間はほとんどの場合は顧問の残業時間で行っていたり、休日を返上して行っています。
実はこの部活動による残業等は学校で一番上の校長先生ですら強制させることはできません。
公立校の教師に残業を指示できるのは「超勤4項目」という4つの事柄だけです。
「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令」により規定されている。その基準については,▽実習,▽学校行事, ▽職員会議,▽非常災害などに必要な業務の4つで,これがいわゆる「超勤4項目」である。また,これらはいずれも無条件に命じられるのではなく,臨時または緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとされている。
引用元:東京教育研究所
部活動顧問をやらなければならない、という法律はないというわけです。
教師の魅力を高めるには
・法律通りの働き方
にすればいい。具体的には
・土日祝は休み
・残業の概念ないから、8時10分〜16時50分のみ勤務にするだけ。これが法律通りなんだから、はみ出したものは全て廃止したらいい。部活動なんて論外さ#教師のバトン
— サボさん (@kyouiku_mondai) July 28, 2022
任意なのに避けられない理由は?
では、部活動の顧問が任意であるのに避けられない理由は何でしょうか。
それは
- 内規
- 慣習
この二つが問題となります。
実は勤務校の内規(その組織の内部だけで適用することを目的とした規則)で、全員顧問制度を採用している学校が多いのです。
部活動が正式な職務であれば法律として定めてあるはずです。しかし、それがない。
つまり、部活動は正式な職務ではないということがわかります。
そのため「内規」という形で教師を縛り付けているのです。
上司から「決まりだろ?」と言われたら部下は何も言えませんよね・・・
また、昔からそのように行っているため周りの教師も同調します。
そして部活動の顧問をやらなかった教師は・・・
言わずもがな仲間外れや冷ややかな目の対象となってしまうことでしょう。
保護者『今まで未経験だと言い訳して散々生徒に迷惑かけてきたんだから、先生は心を入れ替えて罪滅ぼしに部活に全力入れてやらなきゃ。練習は土日毎日やって下さい。先生がきちんとやれるように、毎日部活見にきますからね』
この数ヶ月後、私は過労と精神疾患から休職しました。#教師のバトン #部活
— 高校英語教師 (@high_school_JTE) July 30, 2022
教師は夏休みがあっていいですねと言われることがあるんだけど、夏休み中も部活や二学期の授業、行事の準備をしています。夏休み中は定時退勤できたり、有給休暇を取れるという、世間の当たり前の働き方ができるというのが正解です。
— 合法先生 (@barbeejill3) July 28, 2022
部活動の顧問をやりたくない理由
ここまでの流れで部活動の顧問をやりたくない理由はなんとなくわかったかと思います。
では部活動の顧問となるメリット・デメリットを少しだけまとめてみましょう。
メリット
- 学生の成長を目の当たりにできる
- 学生が勝つ・成功することで自分にも自信がつく
- やりがいがある
- 部活動手当をもらえる
デメリット
- お金にならない
- 休日返上当たり前・自分の時間も無くなる
- 部活動で何かが起きたら責任問題となる
- 親御さんからの様々な圧を受ける
意外とメリットがあるように思えますがそのすべては教師自身を犠牲に得られるものです。
その部活動が好きであり、部活動が嫌でないのであれば問題はないでしょう。
しかし、全員が全員そういうわけではないです。
メリットを見てもマイナスに感じる人は少なくないでしょう。
これだけ教師の定額働かせ放題が騒がれていても、そのブラックさのせいで辞めたと書くと
教師が部活するのは当たり前。
生徒の気持ちがわからないのか。
働かないお前は辞めてよかった、
部活しろ、
とコメントがくる。
あのね、法律違反なの。
そして、そんな強制をすることは犯罪です。#教師のバトン— ゆうり (@2Vxsdz8h) July 29, 2022
教師は部活動の給料や手当は?負担の量はブラックとも・・・
では教師が部活動を行うことで給料が上がったり、手当が出ることはあるのでしょうか?
給料が直接上がることはないですが、手当が出る可能性があります。可能性が。
基本的には土日などの休みの日の部活動は4時間程度で3000円と定められていました。
その後、平成30年1月には3,600円へと引き上げられ、「2時間以上4時間未満」の区分にも1800円を支払うことになりました。
対象緩和した感じもしますがよく考えてみてください。
4時間で3600円、つまり時給900円です。
この手当は教員特殊業務手当という区分の部活動指導業務に位置されます。
このように正式に定められているものであっても時給900円です。
楽しく行えているのであればいいでしょう。
しかし、無理矢理やらされている教師の場合は・・・
ブラックと言わざるを得ないでしょう。
部活のせいで、何人もの教員が辞めたでしょうか。
部活のせいで、何人もの教員が病気になったでしょうか。
部活のせいで、何人もの教員の人生が壊されたでしょうか。その事実に比べれば「部活の教育的意義」「子供の部活をする権利」なんてものはどうだっていい。#教師のバトン#教師からのバトン https://t.co/7jSMmtj2VA
— キョウ✴︎世間様の要求する教師像に反発する教師 (@1531440s) July 25, 2022
まとめ:教師は部活動顧問の拒否は法律上できるが、できない環境にある
「教師は部活動の顧問を拒否できるの?給料や手当は?その負担の量はブラックとも・・・」ということで紹介してきました。
教師の部活動顧問は法律では強制できませんが内規という形で強制させていることがほとんどのようです。
もちろん、心から楽しんでいる教師もいるとは思いますが全員ではありません。
ただでさえ厳しい・ブラックといわれる教師。
少しでも、せめて部活動だけでも楽になるとよいのですが・・・
部活動の地域移行でどうなるかが見ものですね!